2006年7月 3日 (月)

【アンチエイジング・インターベンション/肥満とアンチエイジング】

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【アンチエイジング・インターベンション/肥満とアンチエイジング】

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P233238  肥満とアンチエイジング〕

<肥満と肥満症>

肥満:医学的には「脂肪組織が過剰に蓄積した」身体の状態を示す。

「過体重」とは異なり、「過脂肪」

・肥満症:肥満に起因ないし関連する健康障害を合併するか、その合併が予測される場合で、医学的に減量を必要とする病態(疾患単位)

・肥満の判定:身長と体重のみから算出できる体格指数であるBody Mass Index (BMI)

MBI = 体重[kg]÷(身長[m])2

・日本では、BMI25.0以上を肥満としている。

・筋肉質の者や骨格の太い者などでは、BMIが高くても脂肪量を反映していないこともある。

・実際の体脂肪率は、低い可能性がある。

     若年女性では、脂肪量に比して、筋肉量、骨量が少なくて、BMIが低値でも、体脂肪率が高いというケースもある。

     肥満の判定は「量」で行うが、肥満症の診断は「質」をみる。

医学的に問題となる肥満は、内臓脂肪が多く蓄積してくる内臓脂肪型肥満。

<内臓脂肪型肥満と皮下脂肪型肥満>

     CTスキャンを用いて腹部の脂肪組織検討

     同じ体重、腹囲のものでも、皮下脂肪が多いタイプと腹腔内の内臓周囲に多くの脂肪が蓄積しているタイプがある。

     内臓脂肪の多いタイプの肥満者:高血圧、耐糖能異常、高脂血症の発症率が高まっている。

     内臓脂肪型肥満:生活習慣病のハイリスク肥満

     日本肥満学会は、治療すべき肥満は、皮下脂肪型肥満よりも、内臓脂肪型肥満である。

内臓脂肪型肥満の診断:臍の高さでの腹囲が男性で85cm女性で90cm以上であれば、内臓脂肪型肥満の可能性が高い。

・臍部レベルでのCT画像で内蔵脂肪面積が100cm2以上あれば、内臓脂肪型肥満と診断。

<内臓脂肪とアディポサイトカイン>

     脂肪細胞から生理活性物質を分泌し、体内の複雑な代謝機構をコントロールしている人体最大の内分泌臓器である。

     脂肪細胞から分泌される物質を総称してアディポサイトカインとよぶ。

     動脈硬化や糖尿病を悪化させるプラスミノーゲン活性化因子インヒビター1(plasminogen activator inhibitor – 1; PAI-1)、ヘパリン結合性EGF様増殖因子(heparin binding epidermal growth factor; HBEGF)や、腫瘍壊死因子α(tumor necrosis factor – α; TNF-α)などの「悪玉」アディポサイトカインがある。

     動脈硬化や糖尿病の伸展を抑える善玉アディポサイトカインのアディポネクチンという物質も、脂肪細胞から分泌。

     内臓脂肪が過剰に肥大・蓄積してくると、善玉、悪玉アディポサイトカインの分泌バランスが狂い、動脈硬化が進展する。

<肥満と寿命、老化との関係>

     米国では、肥満度が+30%を超えると死亡率は著名に上昇する。

     75万人を対象にした米国のデータ:BMI>25の肥満者の死亡原因:

心血管障害、糖尿病などの生活習慣病。

     心疾患、高血圧、肝障害、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病の合併が、肥満と関連。

     女性肥満では、乳癌、子宮頸癌、卵巣癌の発症率が3倍以上に高まる。

     高度な肥満は、病気になりやすく、死亡率も高い。

     内臓脂肪蓄積が過剰になると、アディポサイトカインの分泌異常により、インスリン抵抗性(血糖を調節するホルモンであるインスリンの末梢組織での効きが悪くなり、血中インスリンレベルが上がってくる状態で、脂肪組織の増大を招く)

     アディポサイトカインの分泌異常は、免疫系にも影響をきたし、癌の発生の原因になることもある。

     女性の閉経(menopause)後でのエストロゲンの低下、男性での加齢に伴う副腎皮質由来アンドロゲンであるdehydroandrosterone (DHEA)、および、その硫酸抱合体(DHEA-s)の低下(adrenopause)が中高年の肥満に関与。

     過食、運動不足、老化現象に伴うホルモンレベルの変化が肥満を助長。

     インスリン抵抗性を下げる働きのあるIGF-1, テストステロン、DHEAなどのホルモンは加齢とともに減少し、反対に上げる作用をもつコルチゾルは加齢とともに増加し、肥満を助長

<美容ダイエットとアンチエイジング>

     セルライト:局所的に代謝の悪化下皮下脂肪がつくりだす皮膚表面の凹凸。

     日本人成人女性の80%にセルライトが認められる。

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【アンチエイジング・インターベンション/美容と化粧】

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【アンチエイジング・インターベンション/美容と化粧】

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P229232  美容と化粧〕

シミ、シワの治療

<抗加齢美容治療:シミ治療>

     治療方法の選択

     シミを主訴に受診する患者の臨床診断:

     老人性色素斑、肝斑、雀卵斑、脂漏性角化症、太田母斑、日光角化症、炎症性色素沈着など。

     レーザー治療が適応となる

     老人性色素斑、脂漏性角化症、太田母斑など。

     使用するレーザー:メラニンを標的とするQスイッチおよびノーマルパルスのルビーレーザー(波長694nm)Qスイッチアレキサンドライトレーザー(波長755nm)半波長QスイッチNd: YAGレーザー(波長532nm)

     治療後は痂皮形成を生じ、副作用として炎症後色素沈着を起こす可能性が高い。

     老人性色素斑は、1回のレーザー治療で効果が得られることが多いが、適応でない肝斑にレーザー治療を行うと術前より色素が増強したり、炎症後色素沈着が長期に残存したり、高頻度に再発する。

→ 肝斑のレーザー治療は禁忌。

  ・前癌状態である日光角化症

     ケミカルピーリング(chemical peelingCP)とは

     皮膚に化学物質を塗布し、表皮または真皮を剥離させ、その再生する自然治癒過程を利用し、主に若返り目的(rejuvenation)に始められた剥皮術

     最も使用されているグルコール酸によるCPは、老人性色素斑に対して補助的な治療で、皮膚の色調、質感を改善するrejuvenationには有効であるが、厚い角層を伴った色素斑を除去することは難しい。

     トリクロロ酢酸(TCA)を色素部に塗布するスポットピーリング

<抗加齢美容治療:シワ治療>

     治療方法の選択

     シワに対する治療:前頭部、頬部、頚部に対するフェイスリフト、眼窩部に対する除皺術やBaggy eyeに対する脂肪除去などの手術方法であった。

     局所注入法:コラーゲン、ヒアルロン酸、ポリ乳酸製剤、および、自家脂肪。

→ 眉間、目じり、鼻唇溝の凹部への充填としてよい適応。

     Botox, Dysportが本邦で使用されている。

     フェノールに変わりグリコール酸などのα―ハイドロキシ酸(alpha hydroxyl acid; AHA)を使用した浅いケミカルピーリングによるシワ治療が欧米で普及

     グリコール酸ピーリングの第一適応が、にきび。

     ピーリングを継続することにより、メラニン産生能の減少、コラーゲンの増加が認められskin rejuvenationにも有効。

     レーザーを用いたシワ治療laser resurfacingも顔面の若返り術として行われる。

     non-ablativeレーザーでもシワの改善が30%に見られる。

     トレチノイン酸、α―ハイドロキシ酸などの外用剤もシワ治療に用いられている。

     レーザーおよびその他の器機治療

laser resurfacing

ウルトラパルス、スパーパルスシステムの炭酸ガスレーザーやErYAGレーザー熱により水分が蒸発することを利用し、皮膚のコラーゲン線維を萎縮させる。

non-ablativeレーザーなど>

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【アンチエイジング・インターベンション/ホルモン療法とアンチエイジング】

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【アンチエイジング・インターベンション/ホルモン療法とアンチエイジング】

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P225228  成長ホルモン療法とアンチエイジング〕

<成長ホルモン療法の適応疾患>

     1956年、成長ホルモン欠乏性低身長症にGHを使用し有効性を証明した。

     1988年遺伝子組み換えにより作製されたGHが供給される。

     GH分泌不全性低身長症だけではなく、Turner(ターナー)症候群、ならびに、小児慢性腎不全性低身長症、軟骨異栄養症にもGH使用が承認された。

     GHは身長の成長や成熟を促すホルモンにとどまらず、全身のいろいろな代謝に重要な役割を果たす代謝調節ホルモンである。

     代謝面におけるGHの役割は、成人になってから特に大切である。

     GH欠乏症:体組成が変化し、体脂肪量が増加するとともに、除脂肪体重(主として筋肉量)が減少筋力や運動能力が低下し、精神心理的健康感も得られなくなる。

     体脂肪の増加:内臓脂肪の増加であり、インスリン抵抗性、糖尿病、高脂血症、などの病態(内臓脂肪症候群)と密接に関連し、生命予後に深く関わる。

     成人GH欠乏症に対するGH補充療法は、諸外国では広く行われている。

<ソマトポーズsomatopause

     GH分泌は思春期から青年期に最大となり、以後加齢に伴って10歳ごとに約14%ずつ低下。

     GH分泌低下:脈動的GH分泌パルスの振幅と継続時間の減少が主たる原因で、パルス頻度の低下ではない。

     高齢者:全員がGH欠乏症類似の状態になり、この老化に伴うGH/IGF-I系の減弱をソマトポーズという。

     成人GH欠乏症の患者で観察される身体的症候:

老化に伴って出現する諸症候、例えば内臓脂肪蓄積型の肥満、筋肉量の減少と筋力低下、骨塩量の低下と骨粗鬆症など類似している。

     ソマトポーズに対するGH補充療法に期待が寄せられた。

     筋力低下に基づく虚弱(fraility)、骨粗鬆症を基礎に転倒で誘発される骨折、精神心理的不活発さ、あるいは不健康感がソマトポーズと関連しているかどうかは?

<高齢者に対するGH補充療法>

●効果●

Rudmanら、血中IGF-I値が低下した21名の健常高齢者(61-81)0.030mg/kg体重/(GH分不全性低身長症の治療に使うGH量の約1/6)GH量を3回に分けて6ヵ月間にわたって皮下注し、プラセボ群と比較。

→ GH群では、血中IGF-I値の上昇とともに、除脂肪体重が8.8%増加、体脂肪量が14.4%減少、腰椎骨密度が1.6%増加した。

Papadakisらは、血中IGF-Iが低値の平均75歳の健常高齢男性52名に0.030mg/kg体重/週のGHを週3回に分けて6ヶ月間投与し、プラセボ群と比較したところ、除脂肪体重で4.3%の増加、体脂肪量で13.1%の減少を認めた。

GH補充療法が、筋力、最大酸素消費量、その他の身体機能の改善に必ずしも一定した効果を示さなかった。

TaafeらやYarasheskiらも、GH治療によって除脂肪体重の増加および脂肪量の減少はみられるのに筋力の増加はおこらない。

Welleらは、60歳以上の男性5名に0.030mg/kg体重/週のGHを週3回に分けて3ヶ月間投与し、プラセボ群の男性5名と比較したところ、除脂肪体重の増加(40K counting)、筋肉量(尿中クレアチニン排泄量)の増加、および、大腿筋筋力(isokinetic dynamometry)の増大を認めた。

Brillら、除脂肪体重は増加したが、筋力には有意な変化は認められなかった。

Munzerら、110名の高齢者に0.020mg/kg体重/週のGHを週3回に分けて6ヶ月間し、プラセボ群と比較。女性では、GH治療は腹部の皮下および内臓脂肪量に何の影響も及ぼさなかった。男性は、皮下脂肪量が有意に減少したが、内臓脂肪量は明らかな変化がなかった。

GH投与は骨代謝にも影響を与える。

     高齢者へのGH投与は、骨形成、および骨吸収をともに刺激し、骨代謝回転を促進する。

     GH投与6ヶ月ころは、骨吸収が骨形成を上回るために骨塩量はむしろやや減少するが、その後、増加し、一年後には、対照群と比べて、有意に増加。

     杉本ら、骨塩量の低下した高齢女性に対し、最初の4週間は0.125U(6.25μg)/Kg体重/週、その後0.25U(12.5μg)/Kg体重/週のリコンビナントヒトGH48週にわたって1年投与した。 → 投与前に比べ骨密度は僅かではあったが有意に上昇し、その効果はGh投与中止後も1年後にも持続していた。

     GHによる骨塩量増加の程度は、ビスフォスフォネートに比べると明らかに弱い。

●副作用および安全性

     GHにより塩分、および体液の貯留

     浮腫、関節痛、筋肉痛、などが多く、体重増加、手のこわばり感、手根管症候群、まれに、頭痛、耳鳴り、うっ血乳頭、血圧上昇、心房細動、女性化乳房など。

     長期的にGH治療を続けるときの安全面での問題:腫瘍の発症および進展

     疫学研究で、血中IGF-I値が正常範囲であっても、高めの人は、前立腺癌、大腸癌、乳癌になるリスクが高いことが知られている。

     基礎研究で、IGF-I系は発ガン、および、癌の進行に促進的に働く。

     癌が発症しやすい高齢者に、GHを投与することで、IGF-I系を賦活化することが、発癌を促進する、潜在的に存在していた癌の増大を招くという危険性については、明確な結論なし。

<高齢者に対するGH療法の問題点>

     体脂肪の減少と除脂肪体重の増加

     GH投与が高齢者の筋力増強に明らかな効果を示さない。

     最大酸素摂取量に明らかな効果を示さない。

    

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【アンチエイジング・インターベンション/ホルモン療法とアンチエイジング】

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【アンチエイジング・インターベンション/ホルモン療法とアンチエイジング】

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P220224  男性ホルモン療法とアンチエイジング〕

男性における更年期障害に対する男性ホルモン投与の効果と有効性が検討。

<男性ホルモンの加齢による変化>

     男性ホルモン(テストステロン)は、加齢によって低下する。

     男性更年期障害の存在が示唆されている。

     androgen deficiency in aging male (ADAM)partial androgen deficiency in aging male (PADAM) → 男性ホルモン補充療法により改善する可能性も指摘。

     血中を循環するテストステロンの構成は、

総テストステロン=遊離テストステロン(1-2%)+アルブミン結合テストステロン(25-65%) + 性ホルモン結合グロブリン(sex hormone-binding globulin; SHBG)結合テストステロン(35-75%)

     生物学的活性テストステロン:SHBG結合テストステロンを除いた遊離テストステロンとアルブミン結合テストステロンになる。

     加齢により、総テストステロンが減少するだけでなく、SHBGの結合能が減少するだけでなく、SHBGの結合能が上昇し、SHBG結合テストステロンが増加する。

     このため、遊離テストステロンを含む生物学的活性テストステロンが相対的に減少するために、加齢に伴い、男性ホルモンの働きは、顕著に減少。

PADAMの診断と男性ホルモン補充療法の適応>

     男性ホルモンは、朝高く夕に低いという日内変動。

     8時から11時までに採血するのが望ましい。

     生物学的活性テストステロンの測定が肝要。

     男性ホルモン、アルブミン、SHBGの測定値から計算して、推定する方法や、遊離テストステロンで代用しているのが現状。

     自覚的所見:ADAM質問紙とAMS質問紙

<男性ホルモンの低下による影響と男性ホルモン補充療法の効果>

     男性ホルモンの低下:性機能低下、精神症状、身体症状、体脂肪分布、骨、筋力

     心、血管臓器への影響。

●精神症状

・うつ、短気、やる気の喪失、

・記名力の低下、空間認知力などの認知能の低下

・身体症状:体のほてり、発汗など

・これは、女性の更年期障害や男性前立腺癌患者におけるホルモン除去治療時に出現すのと同じである。

・精神、身体症状が男性ホルモン補充療法により改善し患者のQOLの向上の可能性がある。

●筋・骨格

     筋肉量や筋力、骨に対して影響する。

     男性における骨粗鬆症による骨折の原因としては、男性ホルモン低下は約2割と多くない。

     男性ホルモンと骨代謝と直接的関係が私的されてきている。

●脂質代謝・心血管

     PADAM患者において、体脂肪率の上昇や内臓脂肪の増加が指摘。

     心血管病変のリスクを上昇。

     中高年男性に対する内臓脂肪の減少など脂質代謝の問題、ひいては、動脈硬化予防または進行防止のためには、男性ホルモン補充療法は重要となってくる可能性がある。

●性機能

     性欲、性行動と勃起能の2つに関与している可能性が考えられる。

     性欲については、高齢の低テストステロン患者における男性ホルモン補充療法でも改善を認める報告がなされている。

     テストステロンの低下は、夜間睡眠時勃起の程度や頻度に影響を与える。

     勃起障害(erectile dysfunction; ED)はテストステロン低下だけではなく、血管病変にも大きく影響を受けている。

     低テストステロンを伴った一部の高齢ED患者には有効である可能性がある。

     中高年のEDに対する第一選択薬はクエン酸シルデナフィル(バイアグラ)である。

     男性ホルモン補充療法により、クエン酸シルデナフィルの有効率が改善したという報告がある。→ テストステロンが一酸化窒素(NO)活性に与える影響も考えられる。

<男性ホルモン補充療法の実際―副作用と禁忌―>

     経口剤:肝機能障害の頻度が高く、臨床的には使用しにくい。

     PADAM治療の中心となっているのは、注射剤(エナルモンデポー)

     血中濃度の増加、減少が投与期間中に著明に出現。

     125mg/2週間毎の投与でも、数日間生理的な男性ホルモンの値を超える可能性がある。

     日内変動が消失すること、非生理的なホルモン環境となる。

●男性ホルモン補充療法●

     副作用:

前立腺癌の増悪

排尿症状の増悪

肝機能障害

多血症

体液貯留

睡眠時無呼吸の増悪

     前立腺癌が男性ホルモンに依存性をもっていることは、男性ホルモン除去療法が有効であることからが明らかである。

     男性ホルモン補充慮法による前立腺癌発生頻度への影響は少ないと考えられる。

     増殖には関連するが発癌への関連性は低いというのが一般見解。

     絶対的禁忌症例:

前立腺が疑われる症例

排尿障害が高度な前立線肥大症症例

●高度な排尿症状がなくかつ直腸診および、血清PSA値に以上がないことが男性ホルモン補充療法の前提となる。

●多血症、体液貯留の副作用もあるので、心不全患者や脳梗塞、狭心症などの心血管障害患者には注意が必要。

●肥満者に多いとされる睡眠時無呼吸症候群の増悪にも注意。

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【アンチエイジング・インターベンション/ホルモン療法とアンチエイジング】

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【アンチエイジング・インターベンション/ホルモン療法とアンチエイジング】

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P214219  女性ホルモン療法とアンチエイジング〕

     女性の退行期疾患(成人病、生活習慣病)は、加齢(Aging)と、エストロゲンの低下(hypoestrogenism)および生活習慣のツケの集積が相まって発症、増強・増悪。

     これら3つの危険因子 → 抗加齢、エストロゲンの補充、生活習慣の是正・改善

     閉経後女性の健康管理・QOLの向上:生活習慣病の一次予防、二次予防につきる。

     一次予防:健康的な生活を送り、発病を予防する

     二次予防:検診などで早期に病気を発見し、早期に治療する。

<女性ホルモンとEBM

女性ホルモンを補充するHRT:閉経後女性の健康管理とQOLの向上。

 → 静脈血栓塞栓症、乳癌のリスクは厳然とある。

・更年期障害、骨粗鬆症、心血管系疾患、認知能、尿失禁、萎縮性膣炎にベネフィットあり。

トータルで、リスクより、ベネフィットがあるとされてきた。

     Randamized controlled trial (RCT)のなかで、

20027JAMA誌、Women’s Health Initiative (WHI) study, 20038Lancet誌、Million Women studyによって、僅かなベネフィットの再認識と決定的といえるリスクが露見し、HRTはその使用目的は、極端に狭まったという状況。

HERSによるHRTの功罪>

     HERS: Heart and Estrogen/Progesteron Replacement Study

     平均4.1年の試験。

     HRT群はプラセボ群と比較し、LDLコレステロールが11%低下し、HDLコレステロールは10%増加した。

     虚血性心疾患の二次イベントは防止できず、骨粗鬆症による骨折も防止できず、尿失禁はかえって悪化することが多く、静脈血栓塞栓症の発症は約3倍も多かった。

WHIによるHRTの功罪>

     閉経後女性15年間

     合成エストロゲンと合成プロゲステロン(プロゲスチン)を併用したHRTは、ベネフィットを上回るリスクがあるとの判断のもとに中止。

     浸潤乳癌が26%も増加したことによる。

     心筋梗塞、肺塞栓症、浸潤乳癌、脳卒中、子宮内膜癌、結腸・直腸癌、大腿骨頚部骨折、それ以外の死亡において、リスクが15%以上増加することによる。

     ベネフィット:骨粗鬆症による骨折(大腿骨頚部:34%減、椎体:34%減、全体:24%)と結腸・直腸癌(37%)のみで、子宮内膜癌は増減がなかった。

     リスクとしては、静脈血栓塞栓症(111%)、脳卒中(41%)CHD(29%)、胆道系手術(48%)

     AHA, ACOGは、CHDの有無にかかわらず、閉経後女性では、CHDの予防のためにHRTを開始したり、継続すべきでないとした。

     HRTによるQOLの変化:身体的機能や身体制限、身体の疼痛、不眠は各々有意な効果を認め、抑うつは有意な悪化をしめした。

     HRTの効能:のぼせ、ほてり、発汗の血管運動障害については周知のこと。

     痴呆はHRTにより2倍に増え、認知能にも2つのWHI/MSにより効果がなかった。

Million Women Study によるHRTの功罪>

     Million Women Studyは、HRTと乳癌との関連を検討。

     施行期間が長いほどリスクが高くなることが判明。

     エストロゲン単独より、エストロゲン・黄体ホルモン併用HRTでリスクが高くなる。

     投与方法、種類によっても、乳癌を発症するリスクに差はなかった。

     エストロゲン単剤では子宮内膜癌(10年間で1000人あたり10人の増加)、エストロゲン・黄体ホルモン併用療法では乳癌(5年間で1000人あたり5-6人の増加、10年間で15-19人の増加)の発症の増加。

     子宮内膜癌より乳癌の増加が1.5-2倍多い。

     長期間の併用に対する安全性と有益性がかならずしもない。

     本研究の注意点は、乳癌の罹患率が最も高く、全対象者の50%が過去にHRTを経験している。

     本研究の結果を本邦にすぐにはあてはめられない。

RCTによるHRTの評価>

     ベネフィット:更年期症状と萎縮性膣炎、骨粗鬆症

     ニュートラル:認知能、卵巣癌(リスクより)、子宮内膜癌(ベネフィットより)

     リスク:虚血性心疾患、脳卒中、乳癌、静脈血栓塞栓症、胆道系疾患、尿失禁、痴呆、抑うつ。

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