2006年7月 3日 (月)

【その他のホルモン】

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【その他のホルモン】

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P102104  その他のホルモン〕

<胸腺ホルモン>

胸腺ホルモン:胸腺より分泌されるホルモンの総称。

     胸腺の重量:14-15歳を最大、加齢により退縮し、ほとんどは脂肪組織と脂肪になる。

成長ホルモン、DHEA、メラトニンなどの変化と同様。

     胸腺:皮質と髄質に分けられる

     免疫に関係するリンパ球の教育の場。

     未熟なT細胞は皮質に入り、99%以上は教育を受けている間に死滅し、残った成熟したリンパ球が髄質を通して血液中に出てT細胞としての重要な役割を行っている。

     成熟に関係している胸腺内の細胞:胸腺上皮細胞以外に、マクロファージ、樹状細胞

     加齢による胸腺の退縮とその機能の低下が相関。→ 加齢と胸腺機能の関係

     胸腺:内分泌機能を持つ。1966Goldsteinにより胸腺組織の抽出物

→ サイモシンと名づけられた。

     胸腺ホルモン:サイモシンのグループ、サイモポイエチン、サイムリン、THF(thymic humoral factor: 胸腺液性因子)

     サイモシン:仔牛胸腺抽出物、サイモシンフラクションVは、分子量15000-1000

     純化したサイモシンα1:分子量3108

     現在用いられているホルモン:サイモシンα1

     血液中の胸腺ホルモンの測定がなされているもの:サイモポイエチン、サイムリン

     ホルモンは、胸腺の上皮細胞に存在する。

     種々の免疫担当細胞(T細胞、B細胞)に作用。

     胸腺ホルモン:β-エンドルフィン、副腎ホルモン刺激ホルモン、黄体ホルモン分泌ホルモン、など脳下垂体および視床下部におけるほかのホルモン、自律神経にも関係する。

免疫―神経―内分泌 ネットワークが形成。

     C型慢性肝炎の治療:免疫補助療法としてインターフェロンと併用して用いられ、C型肝炎ウィルスの除去に効果を示している。

     血小板凝集阻止にも作用。濃度依存性。

<唾液腺ホルモン(パロチン)

     唾液腺:パロチンというホルモンを分泌している。

     耳下腺(パロチン)、顎下腺(-パロチン)は、パロチンが内分泌されるが、唾液腺の腺条部より分泌される。腺条部のない舌下腺では、内分泌されない。

     耳下腺からの分泌機能:幼少期では活発、成熟期に達するころより腺房は萎縮・脂肪化し、分泌機能低下。

     パロチンの間葉性組織(軟骨、歯、毛、血管系など)に対する作用(散骨の増殖、歯の石灰化促進、毛の成長促進、血管新生促進)が明らかになった。

     製品化されているパロチン:血清カルシウム量減少、窒素平衡是正、体重増加、弾力線維、および、結合組織の発育促進、細網内皮系作用があり、初期の老人性白内障、進行性指掌角化症が適応疾患。→ 目や皮膚の老化を防ぐといわれている。

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【加齢とインスリン分泌】

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【加齢とインスリン分泌】

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P98101  加齢とインスリン分泌〕

<糖尿病の分類>

     インスリン分泌低下、インスリン抵抗性により血糖値が上昇し、糖尿病が発症。

     1型、2型、妊娠糖尿病、その他の特定の機序や弛緩によるものの4型に分類。

     1型糖尿病:自己免疫疾患異常などの原因により、膵β細胞が広範囲に渡って障害される病態で、最終的にインスリン絶対欠乏に陥ることが多い。

     2型糖尿病:複数の遺伝的素因に、過食、肥満、運動不足、ストレスなどの環境因子加齢が加わり発症する代表的な生活習慣病。本邦の95%以上を占める。

→ インスリン抵抗性が増すことと同時に、インスリン分泌能も低下して糖尿病が発症する。

     インスリン抵抗性とは:肝臓、筋肉におけるインスリン感受性が低下することにより、インスリン作用が発揮できなる状態を指し、糖尿病発症の鍵となる病態。

     複数の遺伝子が影響を及ぼす多因子遺伝であるが、結果として、起こる異常は、食後のインスリン初期分泌低下である。

     妊娠糖尿病:妊娠中に発症もしくは、初めて発見された耐糖能低下をさす。

→ 妊娠にともなって、インスリン抵抗性が増し、耐糖能低下するものであるが、臨床的には、妊娠以前から存在していた糖尿病や耐糖能異常と明確に区別することが困難な場合も多い。

     その他の特定の機序・疾患によるもの:遺伝子異常が同定されたものや、薬物、その他、肝内分泌疾患などに合併する場合。

<加齢による糖尿病有病率の増加と2型糖尿病の発症メカニズム>

     糖尿病患者の約半数は65歳以上の高齢者。

     そのほとんどが2型糖尿病。

     2002年糖尿病実態調査:HbA1cの測定値やアンケート調査により、高齢者ほど糖尿病の有病率が高かった。

     加齢によって耐糖能が低下する機序:

→ 加齢によって、運動量が低下すると、体内の筋肉量が減少し、基礎代謝量が減少し、体脂肪が増加する。

血中遊離脂肪酸やTNFα、レジスチンなどインスリン作用を妨害する悪玉因子が脂肪細胞から多く分泌される。

逆にアディポネクチンなどインスリン作用を助ける善玉因子の分泌が減少する。

脂肪・筋肉におけるインスリン抵抗性が増大し、食後高血糖をまねく。

それにインスリン初期分泌の低下が加わると、食後高血糖がさらに悪化し、インスリン抵抗性を増すという悪循環が形成される。

空腹時血糖も上昇し、糖尿病を発症する。

     インスリン抵抗性が増大しても、初期には高血糖を回避するために、インスリン分泌が増加する代償機転が作動し、すぐには糖尿病にならない

     インスリン抵抗性が持続、悪化すれば、膵β細胞が疲弊し、インスリン分泌が代償しきれなくなり、糖尿病が発症する。

     空腹時血糖とインスリン濃度を比べると、日本人は、欧米人に比べて、空腹時血糖が低い段階で代償しきれなくなっている。→ 日本人は、インスリン抵抗性が増すと、容易に糖尿病を発祥してしまう。

     日本人は、戦後、食生活の欧米化、動物性脂肪摂取の増加やモータリゼーションの普及による運動不足が、糖尿病の増加を促進している。

     近年では、一日総摂取エネルギーや糖質摂取比率の増加に伴って、壮年期男性BMIと糖尿病受療率が上昇。 ← 環境因子が影響している。

     現代人は、倹約遺伝子を保有していることが、糖尿病発症を容易にしている。

     人類は飢餓の時代を過ごしてきて、得られた食物の余剰カロリーをすばやく体脂肪に変換する倹約遺伝子をもつものが、生存競争に勝ち残ってきたと考えられる。

     飽食の時代となった現在では、その倹約遺伝子が肥満や糖尿病の発症原意となってしまう。

<健常高齢者のインスリン分泌の検討>

     加齢により、耐糖能が低下し、糖尿病が発症しやすい。→ 発症前から加齢によって、なんらかの栄養代謝―インスリン動態の変化が生じている可能性がある。

     経口ブドウ糖負荷テスト:加齢がインスリン分泌能に与える影響について。

経口ブドウ糖負荷後の血中インスリン濃度については、加齢による変化は生じないと報告されている。

     ブドウ糖静注による血中インスリン濃度の上昇は、インスリン感受性と同時に、急速に起こる第1相と、それに続いて起こる第2相のインスリン分泌能を評価できる。

     高齢者では、インスリン・クリアランスが低下しているために、血中インスリン濃度がすい臓からの分泌能の変化を反映していない可能性も指摘されている。

     加齢によって、一日総インスリン分泌量は同等であったが、静注ブドウ糖量を段階的に変化した場合のインスリン反応分泌やインスリン感受性は低下していた。

     膵β細胞からのインスリン分泌は、8分から15分の高周波と、60分から140分の低周波の生理的な押しレーション(振動)をもっている。→ インスリン作用の維持に重要。

     2型糖尿病の患者やその血縁者では、このオシレーションが障害。

     高齢者でも、高周波オシレーションの振幅低下や、低周波オシレーションの周波数低下がみられるという。

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【ストレスとホルモン分泌】

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【ストレスとホルモン分泌】

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P9497  ストレスとホルモン分泌〕

     ストレスには、神経系、内分泌系、免疫系のクロストークが重要。

     交感神経・副腎髄質系と視床下部―下垂体―副腎系が重要。

<交感神経・副腎髄質系>

大脳皮質で受容された情報 扁桃体で処理され、視床下部へ送られる。

交感神経節および副腎髄質からのカテコールアミンの分泌増加。

瞳孔の散大、立毛、動脈圧の上昇、骨格筋への血流の増加、代謝速度の増加。

血糖の上昇、遊離脂肪酸の上昇。

<下垂体前葉系>

     副腎皮質刺激ホルモン(adrenocorticotropic hormone; ACTH)

     下垂体前葉のACTH分泌を調節する主な因子:視床下部から分泌されるコルチコトロピン放出ホルモン(corticotrophin releasing hormone; CRH)バゾプレシン(VP)などがあり、さらに傍神経節細胞からのCRHや弧束核からのカテコールアミンがCRH-ACTH分泌系に複雑に関与。

     ACTHは、副腎皮質に達すると、膜レセプターを活性化し、コルチゾルを合成、分泌する。

     最終的にコルチゾルが分泌され、全身のホメオスターシス調節と抗ストレス作用を示す。

     肝臓における糖新生の促進、カテコールアミン作用を増強することによる心収縮力増強、血圧上昇、胃酸分泌増加、炎症症状緩解。

     ネガティブフィードバックによりCRHやACTHを抑制し、コルチゾール分泌を抑制し、ストレス反応を終了させるが、慢性に経過すると、胸腺の萎縮、リンパ球、好中球数の減少、感染に対する抵抗力の低下が認められる

     慢性ストレス時には、脳が過剰のグルココルチゾルに暴露され、グルココルチコイド受容体が豊富に存在し、学習・記憶に重要な海馬が組織的にダメージをうけ、中枢神経系の組織に障害をうける。

→ 血中グルココルチコイドのコントロールが重要。

     甲状腺刺激ホルモン(thyroid stimulating hormone; TSH)

     視床下部よりTSH放出ホルモン(TRH)が分泌され、TSH産生細胞のTRHレセプターが活性化され、TSHを分泌する。

     TSH:αサブユニットとβサブユニットが結合し、生理活性表す糖蛋白である。

     TSHが甲状腺濾胞細胞膜のレセプター分子に結合 → 甲状腺ホルモン(トリヨードサイロニンT3, サイロキシンT4)が分泌。

     標的細胞において、T4T3に変換され、核内レセプターに結合し、生理的な効果を発揮。

     甲状腺ホルモンの作用

基礎代謝の増大、心機能の促進、成長促進、中枢神経機能(精神活動)の促進

     手術や外傷

急激な身体的ストレス → 血中T3の減少、T4およびTSHは上昇。

T3の減少は、病勢の重篤さを現しており、末梢でのT4からT3への変換が減少。

     ICUで数週間過ごした患者

→ T3, T4は低下し、TSHは低下~正常下限になる

        慢性ストレス下では、TRH遺伝子の発現が減少し、TSH分泌パターンが消失。

     成長ホルモン(growth hormone; GH)

     GHは、促進性視床下部ホルモンであるGH放出ホルモン(GRH)、抑制性ホルモンであるソマトスタチン、最近発見されたGH放出ペプチド(グレリン)などにより調節。

     GHは、約3時間の周期的パスル分泌を示し、入眠後最大値をとる。

     GHは肝臓などにあるGHレセプターに作用し、インスリン様成長因子-I(insulin-like growth factor-IIGF-1:別名ソマトメジンC)を産生、分泌。

     GHIGF-Iを介して、一部直接的に長骨の成長を促す。

     血糖上昇、遊離脂肪酸を上昇させる作用。

     ストレスによるGH分泌は、急性ストレスと慢性ストレスによって異なる。

     急性ストレスから数時間~数日後においては、血中のGHレベルは上昇し、パルス分泌のピーク値、およびパルス回数も増加する。

     慢性ストレス下においては、夜間のGH値は低下し、GHのピークも明らかに減少。

     ストレスや不安が長期持続 → 精神社会的、愛情遮断性小人症になる。

     プロラクチン(prolactin; PRL)

     下垂体からのPRL分泌は、視床下部からの抑制的因子(prolactin-inhibiting factor: PIF)による支配を受ける。

     PIFの主たるものは、ドーパミンである。

     促進的にはたらくものは、プロラクチン放出因子(prolactin-releasing factor; PRF)と呼ばれ、血管作動性腸管ポリペプチド(vasoactive intestinal polypeptide; VIP)、または、同じ分子ファミリーに属する物質が候補。

     PRLの作用

→ 乳腺の発達促進、乳汁産生、および、分泌刺激

→ 中枢性には、ゴナドトロピン放出ホルモンの分泌を低下させ、排卵を抑制。

→ 卵巣への直接作用もあり、エストロゲンの分泌を抑制

→ 免疫系の影響。

     PRLは、急性の身体的、精神的ストレスによって、増加する。

→ VIP、オキシトシン、ドーパミンなどが関与。

     慢性ストレスでは、動物実験では、PRLは、減少。

     性腺系

     下垂体前葉は、下垂体性ゴナドトロピンとして卵胞刺激ホルモン(follicle-stimulating hormone; FSH)と黄体化ホルモン(luteinizing hormone; LH)を分泌。

     FSH:卵胞の発育、成熟を促す。

     LH:排卵と黄体化に主要な役割をはたす。

     精巣において

FSH精細管の成熟と精子形成

LH:Leydig細胞でのステロイド産生を促す。

     テストステロン:同化ステロイドとして重要で、さまざまなストレスに関連。

     FSH,LH分泌は、視床下部からのゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)と性ステロイドによって調節

     GnRHは、視床下部からパルス状に分泌され下垂体性ゴナドトロピン分泌を調節

     末梢の性ステロイドは、視床下部レベルでネガティブフィードバックによりGnRH分泌を調節

     ストレスにより生殖機能および生殖行動は抑制される。

     手術や心筋梗塞などの急性ストレスでは、高LHにもかかわらず、血中テストステロンの低下がみられる。

     急性のストレスに対し、同化ホルモンが減少し、エネルギーの消費を抑え、より重要な生命維持の方向へ向かおうとする合目的な変化。

     循環血中のテストステロンは感度以下に低下し、エストロゲンも低下、LHパルス分泌の低下

     ストレスによる性腺系の抑制のメカニズム

脳内ドーパミンやオピオイドの関与のほか、ストレスによって末梢で増加したグルココルチコイドがLH分泌を抑制するという説や、ストレスによって脳内に増加したCRHがGnRH産生ニューロンの活動を抑制する。

     下垂体後葉系

     下垂体神経葉(後葉)からは、バソプレシン(vasopressin; VP)とオキシトシン(oxytocin; OT)のペプチドが分泌される。

     下垂体前葉ホルモンと異なり、視床下部室傍核や視索上核で産生され、下垂体茎を軸索輸送されて下垂体神経葉に到達する。

     VPは、血管のV1受容体を介した血圧上昇作用、下垂体ACTH産生細胞のV1b受容体を介した補助的ACTH分泌作用をおよび腎尿細管のV2受容体を介した抗利尿作用をもつ。

     VPは、血漿浸透圧によって主に、調節される。

     循環血液量・血圧によっても変化。

     ヒトでは、多くの急性ストレスによって、末梢血中VP分泌が増強する。

     ストレスにより、門脈血中へのVPが増強し、CRHと共に、ACTH分泌に関与

     OTの作用

乳汁の射出、子宮収縮

分娩、あるいは授乳中にストレスが加わると、OT分泌が抑制される。

非妊娠時の女性や男性においては、ストレスがOT分泌を増強するという報告もあり、性、年齢などに依存する。

まとめ

1)交感神経・副腎髄質系と下垂体―副腎系は、ストレスに対する反応として最も重要であり、分泌増強反応を示す。

2)下垂体―甲状腺系は、急性ストレスで亢進するが、慢性ストレスで抑制される。

3)GH系は、急性ストレスで分泌増強、慢性ストレスで分泌抑制される。

4)PRL系において、急性ストレスは、プロラクチン分泌を増強し、慢性ストレスは、分泌を抑制。

5)急性、慢性ストレスともに下垂体―性腺系を抑制。

6)下垂体後葉系の内、VP分泌は急性ストレスでは増強する。またストレスは、OTを抑制し、分娩を遅延させ、射乳反射を抑制する。非妊娠時の女性や男性においてはストレスがOT分泌を増強する。

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【松果体ホルモン(メラトニン)】

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【松果体ホルモン(メラトニン)】

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P9193  松果体ホルモン(メラトニン)〕

     メラトニンは、脳の松果体から分泌される。

     アミノ酸であるトリプトファンをもとに神経伝達物質のセロトニンを経て合成される。

     セロトニンは、昼間、神経を活性化させ、メラトニンは、夜間、神経を沈静化する作用。

     自然界には、メラトニンは広く存在し、バナナ(皮)や青汁に比較的多く含まれる。

     すべての動植物に同じ分子構造で存在し、睡眠と覚醒のサイクルに関与。

     生体リズムは生物のもつ基本的な特性の一つ。

     24時間を周期とするリズムを日周リズム(あるいは概日リズム).

     メラトニンが夜間、睡眠中に分泌され、朝目が覚めると、分泌がとまるという日内変動により制御。

     加齢とともに、身体が生産するメラトニンの量が低下する

     年配者では、若い人よりも睡眠障害が多くなる。

     中年期から高齢期になると、男女を問わず誰しも眠りが浅くなる減少、すなわち、睡眠障害がみられる。

     「寝つきがわるい」「目が覚めやすい(中途覚醒)

<作用>

■メラトニンの作用■

     体内時計の調節

     睡眠の維持と質の向上

     時差ぼけの解消

     抗ストレス作用

     抗酸化作用

     免疫強化作用

     抗腫瘍作用

     抗うつ作用

○コルチゾル分泌などにもみられるサーカディアン・リズムもメラトニン分泌の変化によるものと考えられる。

○日照時間にも関連し、冬から春にかけて生殖への準備、秋から冬へかけての脂肪蓄積の活発化、免疫力の変化にも関連。

     睡眠を誘発する作用がある。

     睡眠剤に比べて弱いといわれるが、レム睡眠を抑制することなく、鎮痛剤や睡眠薬のような副作用をおこすことがない。

     睡眠の質を改善させる、きわめて良質な天然の睡眠薬

     旅行者の時差ぼけや、三勤代勤務者なので生活リズムのリセットにしばしばもちいられる。

     休息と睡眠により心や身体にうけたダメージは回復する。

     強力な抗酸化作用もあり、脳梗塞のダメージから回復を補助する。

     メラトニンはヒト精液中にも存在し、抗酸化能力により、精子の脂質過酸化と運動能力の劣化を防御している可能性がある。

     免疫力を高める作用があり、胸腺を刺激することから、作用の一部は胸腺を介する。

     腫瘍免疫の観点から、癌の予防にも大いに効果がある。

     乳がん系のがん細胞には、抗腫瘍効果があることが報告されている。

     癌を告知したときに生じる抑うつ症状に対しても有効。

<分泌調節>

・メラトニンの合成・分泌は夜間に高く、昼間に低下するという日周性。

     哺乳類では、概日時計である視交叉上核の活動に依存。

     夜に網膜が光を感知しなくなると視交叉上核の活動が活発化し、その情報が交感神経を介して松果体に伝達され、メラトニンの生合成が活発化する。

     朝の光の網膜が感知すると、交感神経からの入力が消失し、メラトニン分泌が停止し、14時間後の再分泌がセットされる。

<治療>

     睡眠薬やアルコールに頼る前に睡眠障害の原因をつきとめて是正する。

     不眠症を慢性化させないためには、規則正しい生活習慣や栄養バランスのとれた食事をとり、適度な運動をこころがけるべきである。

     寝る前にとるべき栄養素としては、ホットミルク、バナナなど適度な糖分、カルシウム、アミノ酸のトリプトファンがあげられる。

     中高年以上でメラトニン分泌が低下している状態にある人は、メラトニンを第一選択すべきである。

     メラトニン血中濃度は、日内変動が激しいので、投与量の目安にならない。

     1回の睡眠サイクルを1.5時間とした場合4-5サイクルの睡眠をとることが目標。

     一日投与量は、0.5-10mgの範囲

     至適量は、14-5サイクルの睡眠がとれ、昼間に眠気がこない量。

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【内分泌臓器としての血管内皮細胞】

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【内分泌臓器としての血管内皮細胞】

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P8790  内分泌臓器としての血管内皮細胞〕

血管内皮細胞:血管の最内層を覆っている一層の扁平な細胞。単なる血液のバリア役を超えた機能をもつ。

→ プロスタグランディンI2 (PGI2)を産生放出する。

PGI2細胞内cAMPを増加させ、血小板の凝集を抑制し、血管を拡張させ、血管内で抗血栓性として働く。

血管内皮細胞:トロンボモジュリン(thrombomodulin; TM)を産生し、トロンビンを凝固酵素から抗凝固酵素へと変換することが判明してきた。

血管内皮細胞:NOを産生放出し、血小板機能抑制血管拡張性に作用する。

血管内皮細胞:tissue plasminogen activator (t-PA)を産生し、PGI2、NO,TMなどと共同して、積極的に血管内での血栓形成を防いでいる。

<生体諸システム制御臓器としての血管内皮細胞>

     血液凝固系を制御する

     循環制御

     炎症・免疫抑制

     血管新生制御

■生体内部センサーとしての血管内皮細胞

     内分泌臓器:生体内ホメオスタシスを保つためにホルモンその他を分泌する。

     血管内皮細胞は、普段に血液と接しており、血液とのダイナミックインターフェースであり、血液の変化を刻々とセンスしうる細胞である。

     血管の中を流れる血液が多くなると、内皮細胞には強いズリ応力がかかり、そのメカニカルなストレスを生化学的なシグナルに置き換えて、NOの産生が高まる

     NOは、血管平滑筋細胞を弛緩させ、血管は自動的に拡張し、血流が増す

     血管内皮細胞は、低酸素をセンスして、NO,vascular endothelial growth factor (VEGF)などを産生、放出して、血流や、血管新生を制御している。

<内皮細胞のモデュレーションと活性化>

     刺激に応じて、内皮細胞は活性化、モジュレーションされる。

     刺激が強いと、機能は偏り、パーターベーション(perturbation: 錯乱状態)に陥る。

     刺激が強いと、内皮細胞は、アポトーシス、壊死に陥り、血栓やDIC, 多臓器不全を招来することになる。

●血管内皮細胞障害因子:酸化変性低比重リポ蛋白(low-density lipoprotein; LDL)、あるいは、糖化蛋白。

→ TMの発現を低下させ、逆にTMと正反対の機能を有するトロンビン受容体(protease activated receptor; PAR-1)の発現をアップレギュレーションさせる。

<ヒトは血管とともに老いる>

     年齢と共に、狭窄や、壁肥厚、硬化、伸展性の低下であり、進行すると血栓や血行遮断が起こる。

     形態的に多核化した巨細胞(variant cell)が増加している。

     高齢者の血管は、NOに対する反応が悪く、血管のしなやかさの指標の一つである、脈波伝播速度(pulse wave velocity; PWV)が亢進している。

     NOに対する反応性は、酸化変性LDLや糖化蛋白などで低下してくるので、高脂血症、糖尿病、高血圧などは、血管の老化を促進することになる。

     血管の老化は、内皮細胞に始まり、血管のしなやかさの低下にはじまり、器質的変化に置き換わっていく。

     血管内皮細胞の重量:70Kgの成人男性で、約1kg表面積でも70m2になり、その表面には、カベオラと称される無数の100-30nmの無数のくぼみがあり、ここにLDL受容体その他の受容体が存在する。

     凝固線溶系、血小板系、血管トーヌス制御を介して循環をコントロール。

     血管内皮細胞は、LAN型「第8の臓器」ともいいうる側面を有する。

■多機能細胞としての血管内皮細胞■

<循環制御>

血管弛緩:PGI2, No, CNP, AM, EDHF

血管収縮:エンドセリン、ACE, PDGF, AT1R

<凝血系制御>

抗血栓:TFPI, TM, t-PA, PGI2, NO, PAR-1, ectoA TP Dase

向血栓:TF, PAI-1, Xa, Ixa結合

<炎症・免疫制御>

促進:IL-1, IL-6, IL-8産生、CD14, TLR-2, TLR-4

抑制:NO, PGI2

<血管新生制御>

促進:VEGF産生、PDGF産生、VEGFR発現、RAGE発現

抑制:CNP

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【アディポサイトカイン】

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【アディポサイトカイン】

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P7686  アディポサイトカイン〕

20038月厚生労働省 糖尿病実態調査速報

糖尿病が強く疑われる人:740万人

糖尿病の可能性を否定できない人:880万人

1620万人

1998年の国民栄養調査:肥満人口(BMI25)は、2300万人

男性1300万人、女性1000万人と推定。

死因の第一位の心血管疾患(心筋梗塞、脳梗塞)の主要な原因:

              肥満、糖尿病、高脂血症、高血圧が重複する代謝症候群。

<肥満によるインスリン抵抗性惹起メカニズム>

脂肪組織:

    レプチン、TNFα、レジスチン、遊離脂肪酸(free fatty acid; FFA)plasminogen activator inhibitor (PAI1)など種々のシグナル分子“アディポサイトカイン”を分泌する内分泌器官としての機能を有する。

肥大した脂肪細胞:TNFα、レジスチン、FFAが多量に産生・分泌され、骨格筋や肝臓でインスリンの情報伝達を傷害し、インスリン抵抗性を惹起する。

→ 脂肪細胞肥大の抑制、インスリン抵抗性惹起性のアディポサイトカイン作用の抑制、インスリン感受性アディポサイトカイン作用の増強が、治療戦略の標的となる。

<高脂肪食負荷・FFAによるインスリン抵抗性惹起メカニズム>

高脂肪食負荷・FFAによってインスリン抵抗性が惹起される。

高脂肪食負荷・FFA → インスリン標的器官である骨格筋、肝臓に蓄積した中性脂肪、あるいは、その代謝産物が、

protein kinase C (PKC)θI kappa B kinase (IKK)βを活性化し、

insulin receptor substrate (IRS)-1のセリンリン酸化を引き起こし、

インスリンの細胞内情報伝達にとって、必須のIRS-1のチロシンキナーゼの活性化、

glucose transporter (GLUT)4のトランスローケーションを阻害し、

糖取り込みを低下させることが報告。

FFA:肥大化した脂肪細胞からのlipolysis・脂肪分解によって産生される。

脂肪細胞肥大化の抑制、血中、および、組織内の脂肪酸の燃焼、IKKβの阻害剤などが治療戦略の標的となる。

■血中、および、組織内の脂肪酸の燃焼を促進する分子:

adenosine mono phosphate (AMP)キナーゼとPPARαが有望な標的分子と考えられている。

<TNFαによるインスリン抵抗性惹起メカニズム>

TNFα:脂肪細胞から分泌され、インスリン抵抗性を惹起するサイトカインとして最初に同定された。

肥大した脂肪細胞に多く発現・分泌しているTNFαなどによって活性化されるc-Jun amino-terminal kinases (JNK)、特にJNK1がインスリン抵抗性惹起に重要な役割を果たしていることが、示された。

TNFα抗体:炎症性の疾患に対しての実際のヒトに効果を発揮するかどうかの検討も期待される。

<インスリン抵抗性惹起性のアディポカインとして同定されたレジスチン>

レジスチン:肥満によりその発現が増加するアディポサイトカインとして同定。

マウスへの投与が、インスリン抵抗性を惹起、その中和抗体の投与がインスリン抵抗性を低減させることが示された。

<PPARγの倹約遺伝子としての機能>

PPARγは、脂肪細胞肥大とインスリン抵抗性を媒介する

PPARγヘテロ欠損マウスでは、高脂肪食による肥満とインスリン抵抗性が抑制されていた。

     PPARγおよびCBP(binding protein)が、高脂肪食による脂肪細胞の肥大化や肥満、インスリン抵抗性の出現を媒介していること、その作用の一部はレプチン発現の抑制を介するものであることが明らかにされた

<PPARγ阻害剤による2型糖尿病の治療>

PPARγ活性の中等度の抑制は、抗肥満、抗糖尿病作用を有する。

<インスリン感受性調節におけるレプチンの役割>

脂肪萎縮性糖尿病に対して、レプチンを投与し、著効を示した

<インスリン感受性が良好なPPARγヘテロ欠損マウスでアディポネクチンの発現が亢進している>

アディポネクチンは、レプチンと共に、脂肪組織由来のインスリン感受性因子の有力な候補と考えられた。

<アディポネクチン遺伝子は日本人2型糖尿病の主要な疾患感受性遺伝子である>

     日本人2型糖尿病との関連

     3q26-q28領域にアディポネクチン遺伝子が存在。

<アディポネクチンは白色脂肪細胞由来の主要なインスリン感受性ホルモンである>

アディポネクチン補充は、脂肪萎縮性糖尿病のインスリン抵抗性を改善する

     アディポネクチンが脂肪細胞由来のインスリン感受性ホルモンであること、レプチンとアディポネクチンにより脂肪組織由来のインスリン感受性ホルモンの主要部分を説明できることが明らかになった。

     アディポネクチンの補充により、脂肪酸の燃焼の増加が認められ、これらが、組織内中性脂肪含量低下の原因と考えられた。

<肥満,2型糖尿病ではアディポネクチン不足が存在しインスリン抵抗性が惹起される>

アディポネクチン補充は、インスリン抵抗性を改善する

     生理的な濃度のアディポネクチンの補充を行うと、インスリン抵抗性、高FFA血症、高中性脂肪血症が改善した。

     肥満では、アディポネクチンの分泌が低下し、インスリン抵抗性や2型糖尿病の原因となっていること、アディポネクチン補充は肥満に伴うインスリン抵抗性や糖尿病の効果的な治療手段となることが明らかとなった。

     globularのアディポネクチンが骨格筋で脂肪酸燃焼を促進すること、肝臓において、インスリン感受性を増加させ、糖新生を抑制して血糖を低下させうることが報告された。

     脂肪萎縮でも、脂肪細胞肥大を伴う肥満でも、血中アディポネクチンレベルは低下し、脂肪組織量との関係でみると逆U字が多を呈する。対照的にインスリン抵抗性、高血糖、高脂血症といった代謝異常は、U字型を呈する。

<アディポネクチンは生体内で抗糖尿病因子として作用している>

アディポネクチンホモ欠損マウスは、耐糖能低下を示す

     アディポネクチンのホモ欠損によって高脂肪、高ショ糖食下で著明なインスリン抵抗性、糖尿病が惹起される。

<アディポネクチンによる脂肪酸燃焼促進メカニズム(1)

アディポネクチンは、PPARαを活性化する。

<アディポネクチンによる脂肪酸燃焼促進メカニズム(2)

アディポネクチンは、AMPキナーゼを活性化する。

     AMPキナーゼは、インスリン感受性ホルモンであるレプチン、抗糖尿病薬であるメトフェルミンによって活性化される

     アディポネクチンによる骨格筋での脂肪燃焼、糖取り込み、糖利用の促進、肝臓での糖新生の抑制、in vivoでのアディポネクチンの急性の投与で認められる血糖値の低下は、一部のAMPキナーゼの活性化を介したものであることが示された。

<アディポネクチンによる血管壁に対する直接的動脈硬化作用>

アディポネクチンは、血管壁において脂質取り込み・炎症を抑制する。

     アディポネクチンが生理的にin vivoで抗動脈硬化因子として作用している。

<アディポネクチン受容体の同定とその機能解析>

     肥満では、アディポネクチンの分泌が低下、糖尿病・高脂血症などのリスクファクターを増大させる作用と血管壁に直接作用の両者によって糖尿病・代謝症候群とそれに伴う大血管障害に原因となっている。

     アディポネクチンの作用を増加させる治療は、糖尿病・大血管症に根本的な治療法となることが示唆された。

     アディポネクチンの受容体の同定。AdipoR1とR2はアディポネクチンおよび全長アディポネクチンの受容体であり、AMPK, p38MAPKおよびPPARαの活性化を介し、脂肪酸燃焼や糖取り込み促進作用を伝達している。

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【副腎から分泌されるホルモンDHEA(-s)】

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【副腎から分泌されるホルモンDHEA(-s)

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P7175  副腎から分泌されるホルモンDHEA(-s)

加齢とともに変動する性ステロイドdehydroepiandrosterone (DHEA)が重要である。

<DHEAの生合成>

     dehydroepiandrosterone sulfate (DHEA-s)DHEAは、その90%が副腎由来である。

     副腎アンドロゲンと呼称される。

     血中アンドロゲンの大部分はDHEA-sである。

     尿中17-ketosteroid (17-KS)の大部分はDHEA-s由来である。

     アンドロゲン活性は、テストステロン(T)の約5%ときわめて微弱である。

■副腎、性腺ステロイドホルモン合成

cholesterolを基質としてチトクロームP450を主体とした酵素により各種のステロイドが合成される。

・チトクロームP450c1717α-hydroxylase17,20 lyase2つの酵素活性をもつ。

     DHEAは、17α-hydroxylaseによりpregnenoloneより、17OH-pregnenolone、引き続き、cortisolが合成され、さらに、17,20lyaseによりDHEAが合成され、sulfokinaseによりDHEA-sが合成される。DHEA-ssulfataseによりDHEAに変換される。

<加齢に伴うDHEA(-)の変動とその秩序>

血中cortisolと血中DHEA(-s)の解離する現象が観察される。

1)      加齢に伴う健常男女の血中DHEA-sの変動をしめす。

生命維持に必要なcortisolは一生を通じてその血中濃度の変動をみとめない。

思春期以降はきわめて低値をしめし、思春期に著増し、20歳でピークに達し、以後加齢とともに、直線的に著減する。→ ヒトとアカゲザル霊長類においてのみ観察。

老年者におけるDHEA(-s)産生分泌の低下機序については、以下のような知見が報告。

A)Parkerらは、副腎網状帯の老化に伴う相対的サイズの減少により、DHEA-s産生細胞数の減少が下人である可能性を指摘。

B)老年者と若年者の各種ステロイドホルモン基礎値やACTH負荷後のそれらの反応性の詳細な検討成績から、老年者におけるDHEA(-s)産生分泌の低下はcortisol合成に必須の17α-hydroxylase活性に比して、DHEA(-s)合成に関与する17,20lyase活性が相対的に低下していることが原因と推察。

老化ヒト副腎では、副腎網状帯にリポフスチンの沈着を認め、リポフスチンの本体は、過酸化脂質の重合体。

C)P450c17の調節に、P450 reductaseおよびb5の電子伝達系が重要。

17,20lyase活性の相対的促進作用のあるNADHP-cytochrome P450 reductaseの活性が、老齢ウシ副腎では若齢ウシ副腎に比較して低下。加齢副腎の相対的17,20lyase活性低下を指摘。

2)      神経性食思不振症や手術などによる急激なストレスにおいても、血中cortisolは高値を示すにもかかわらず、血中DHEA-sは低値。

3)      副腎腺腫によるCushing症候群では、血中cortisolは高値を示すにもかかわらず、血中DHEA-sは著名低値を示す。

4)      長期ステロイドホルモン内服離脱後、または、Cushing症候群副腎腺腫摘出後の回復期、cortisolDHEA-sに比べ早く正常値に回復する。

その他のDHEA(-s)の調節因子としては、

主要調節因子のadrenocortisotropic hormone (ACTH)以外に、prolactin, insulin, activin, 3β-hydroxysteroid dehydrogenase (3β-HSD)等が列挙。

<DHEAの作用機構と生理作用>

DHEA(-S)の作用は、

免疫賦活作用

抗糖尿病作用

抗骨粗鬆症

抗動脈硬化作用

抗肥満作用

中枢神経作用(neurosteroid)

臨床への応用

1)      DHEAの直接作用としてのレセプターを介した標的遺伝子を介する作用

2)      DHEAの間接作用として末梢でのテストステロン、エストラジオールへの転換。

●直接作用

炎症作用、動脈硬化作用、インスリン抵抗性作用などを拮抗し、抗加齢作用を発現。

耐糖能改善効果を発現

11β-hydroxysteroid dehydrogenase (HSD)Iが、DHEAの標的遺伝子として同定され注目。

●間接作用

・閉経後女性に好発する骨粗鬆症に注目。

     51歳から90歳の閉経後女性:血中DHEA-sestroneがそれぞれ腰椎骨塩量と正相関

     DHEA-sestrogenに転換して骨量を増加させることを示唆する。

     アンドロゲンをエストロゲンに転換する酵素アロマターゼ活性をヒト骨芽細胞を培養し、脂肪細胞とほぼ同程度の高活性のアロマターゼがヒト骨芽細胞に存在することを始めて明らかにした。

     ステロイドホルモン:副腎、および、性腺(精巣、卵巣)で正合成、分泌されるが、非ステロイド産生細胞である、肝、腎のみならず、脳(neurosteroidとしてのDHEA-sなど)、骨、脂肪、血管内皮において、末梢血中の中間ステロイドDHEA(-s)を基質として、その組織に必要なステロイド合成酵素、すなわちアロマターゼ、17β-HSDが存在し、活性型ステロイドすなわち、テストステロン、エストラジオールを生合成し、そのステロイドレセプターを介して、作用発現する機序が、DHEA(-s)の作用機構をintracrine調節と命名し、注目されている。

<DHEA補償療法>

加齢に伴い、血中DHEA(-s)は著減することが、生活習慣病の発症進展と相関。

血中DHEA(-s)を青年(20)レベルに維持するDHEAの補充療法の重要性が示唆。

     NIHRothら:アカゲザルにカロリー制限をすることで、寿命が延長。

低体温、血中インスリン濃度低値、血中DHEA-s値高値が長寿と関連。

     Boltimorevolunteerの検討:血中DHEA-s値が高値を示す男性は、低値を示す男性より長寿が多いことが明らかになった。→ ヒトにおいてDHEA-sが長寿に重要。

DHEA補償の信頼できる介入臨床試験:

     Yenのグループは、老年男女で低下したDHEA, DHEA-sを若年成人レベルまで回復させる補償量(50mg/)DHEA6ヶ月連続投与することにより、有意のsense of well-beingの改善を報告。

     Arltら:Addison病の24名の女性にDHEA50mg/日、4ヶ月内服させ、女性のsense of well beingsexualityの有意の改善を報告。

     Baulieu280人の健常男女にDHEA 50mg/日内服後1年間の観察により、特に70歳以上の女性における骨塩量の有意の増加、皮膚の肥厚、色素沈着、皮脂分泌の改善とlibidoの改善を認めた。

病気の治療として:

Labrieら:更年期女性にDHEAクリームを塗布し1年間血中DHEAを若年成人レベルに維持すると、大腿骨の骨塩量と血中osteocalcinが有意に増加することを証明。

・杉野、大沢ら:myotonic dystrophy患者へのDHEA-sの経静脈投与が神経症状の改善にきわめて有用であった。

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【甲状腺ホルモンとアンチエイジング医学】

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【甲状腺ホルモンとアンチエイジング医学】

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P6770  甲状腺ホルモンとアンチエイジング医学〕

     甲状腺ホルモンにはある年齢から急に低下するということなく、抗加齢作用はない。

     補充療法は、あくまでも甲状腺機能低下症が存在する場合に意味がある。

     nonthyroidal illness (NTI)では、甲状腺ホルモンの投与は必要ないと考えられている。

     最近は、わずかにTSHが増加しているのみで、甲状腺ホルモンは正常の潜在性甲状腺機能低下症でも、甲状腺ホルモン補充療法は、すべきだという考えが主流になっている。

     その意味で、高齢者の甲状腺機能の評価は重要な課題。

<甲状腺組織の変化>

     甲状腺の重量は、加齢とともに、減少、不変、増加と、いろいろ報告。

→ その理由は、甲状腺に結節性病変をもつ頻度が増えるためで、生理的には大きな変化はないと考えられる。

     組織学的に、加齢とともに、濾胞間の線維化が増え、濾胞サイズは小さくなり、上皮の変性、リンパ球に浸潤を認めるようになる。

     濾胞の細胞骨格が変化し、機能していない濾胞の数が増加する。

     C細胞(傍濾胞細胞)は数が増えて、micronodular hyperplasiaを認めるようになる。

<甲状腺ホルモンの変化>

     高齢者における視床下部―下垂体―甲状腺系の調節異常■

神経調節の異常

視床下部

TRHの合成/分泌 ↓

下垂体                         :ネガティブフィードバックに対する感受性 ↑

TSH濃度 → ~ ↓

TSHの生物活性 ?

甲状腺

T4分泌↓                                              T3分泌↓

T3濃度↓                                              T4濃度→

rT3濃度 わずかに↑                                T4分解↓

末梢組織の甲状腺ホルモン感受性↓ (?)

     甲状腺ホルモンの分泌調節と血中濃度の加齢による変化をまとめて示した。

■甲状腺疾患や非甲状腺疾患に罹患していないかぎり、甲状腺機能は基本的に加齢によっても変化しないと考えてよい。

     加齢とともに甲状腺のヨードの取り込みは低下し、T4とT3の分泌量も低下する。

     ヒトでは、5’脱ヨード酵素の活性が低下するために、T4の代謝も遅延しており、結果として、T4の血中濃度は、加齢とともには低下しない

     T3の血中濃度は、加齢とともに低下する

→ 末梢での、T4からT3への変換は低下するが、T3の代謝は遅延しないため。

     TSHは健常老人では多少低下するが、その理由は明確ではない。

→ 末梢からのT4によるネガティブ・フィードバックに対して下垂体のTSH産生細胞は、supersensitiveになっているために、TSHが抑制されるとする説と、

→ 視床下部からのTRHの分泌が低下して、その結果として、TSHの分泌と血中濃度が低下しているとする説がある。

     100-110歳、65-80歳、20-64歳の3つの群で、遊離T4,遊離T3,TSHを測定したイタリアのPincheraらのグループの成績

→ 遊離T4濃度は100歳までまったく低下を認めない

遊離T3とTSHは加齢とともに低下している

rT3濃度は増加しているので、高齢者群にはNTIと同じような病態が存在すると考えられる。

              TSHの低下は、中枢性甲状腺機能低下症の可能性も示唆している。

<甲状腺自己免疫の変化>

     抗サイログロブリン抗体と抗ミクロゾーム抗体(抗TPO抗体)の陽性頻度は、加齢とともに増加し、特に60歳以上の女性において顕著。

     慢性甲状腺患者では、加齢とともに抗甲状腺抗体の抗体価は低下して、陰性となる頻度も増加する。

     加齢とともに増加する抗甲状腺抗体の陽性率と自己免疫性甲状腺疾患は独立した事象。

     100歳以上の高齢者では抗サイログロブリン抗体と抗ミクロゾーム抗体(抗TPO抗体)の陽性頻度は低下する。

<高齢者の潜在性甲状腺機能低下症>

     イギリスのWhickhamの住民を対象に行われた20年におよぶ前向きコホート研究:

甲状腺機能低下症(TSH>5.2μU/ml)の有病率は、女性が39/1000, 男性が2/1000、発生率が、20年のfollow-upで、女性が4.1/1000/年、男性が0.6/1000/年で、加齢とともに、甲状腺機能低下症の発生率が増加すると報告されている。

     Framingham研究では、TSH10μU/ml以上の頻度は、4.4%であったが、60歳以上では女性が5.9%, 男性が2.3%と増加している。

     また別の研究から:抗甲状腺抗体が陽性(ミクロゾーム抗体が1:1600以上)のときは、T4正常、TSH増加の潜在性甲状腺機能低下症の患者の80%4年以内に潜在性甲状腺機能低下症となることがわかっている。

     高齢女性では、かなりの頻度に甲状腺機能低下症が存在すると想定できる。

     しかし、血液検査から発見された甲状腺機能低下症患者の10%20%しか甲状腺機能低下症は自覚していなかったと報告。

     70歳以上の甲状腺機能低下症の患者倦怠感(67.7%), 易疲労感(52.5%)であり、見分けにくい。

     その他の症状:記名力低下(45.3%)、ねむけ(39.7%)、寒がり(34.9%)、皮膚乾燥(34.5%)、便秘(32.8%)などで、高齢者でよくみられる症状であり、発見のきっかけとなりにくい。

     潜在性甲状腺機能低下症:甲状腺ホルモンの補充療法によって、血清脂質、心機能、動脈硬化、精神活動などが改善。

→ 現時点では、高齢であっても積極的に治療すべきであるという意見が多い。

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【視床下部―下垂体ホルモンとアンチエイジング医学】

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【視床下部―下垂体ホルモンとアンチエイジング医学】

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P6366  視床下部―下垂体ホルモンとアンチエイジング医学〕

     成長ホルモン(growth hormone; GH)

・GH分泌は、思春期から青年期に最大となり、以後加齢に伴って、低下する。

・GHは、下垂体前葉から動脈的に分泌される。

・高齢者では、脈動的GH分泌パターンのGH頂値が低下する。

・GH分泌を促進する視床下部ホルモンであるGH放出ホルモン(growth hormone releasing hormone; HG-RH)を外因性に投与した場合:高齢者では、GHの増加反応が低下している。

・GH分泌の低下に伴い、GHにその産生が依存しているインスリン様成長因子(insuline-like growth factor; IGF)-I、および、IGF結合蛋白(insulin-like growth factor-binding protein; IGFBP)-3の血中濃度が低下する。

GH分泌低下の機序>

・ラット:下垂体におけるGH含量、GHmRNA量が加齢とともに減少する。

     18月齢までは、GH産生細胞の絶対数の減少は認められない。

     下垂体GHの合成は、視床下部から放出されるGH-RHに依存しているが、視床下部GH-RH含量、mRNA量は加齢とともに低下する。

     高齢者にGH-RHを頻回に投与した時、GH-RHに対するGH反応が回復する。

→ GH産生細胞のGH-RH感受性が低下しているというより、長期にわたる視床下部からのGH-RH分泌低下がGH分泌不全の要因であることを示唆している。

     GH-RHアンタゴニストを投与したとき、高齢者では、若年者に比べ、夜間のGH分泌が抑制されやすいことが、視床下部からのGH-RH放出減少で説明できる。

     老齢ラット:in vivoではGH-RHに対するGH反応は減弱していたが、in vitroでは、GH-RHに対して、GHは正常に反応したという成績がある。

     ヒト:GH-RH静脈内投与に対する血漿GH反応は加齢と共に、低下する。

→ GH分泌を抑制する視床下部ホルモンであるソマトスタチン放出が加齢に伴い亢進している可能性を示唆する。

・ラット:加齢とともに、視床下部ソマトスタチン含量、放出量が増加するという報告がある一方、mRNA量や含量は減少するという報告もあり、意見の一致をみていない。

     老化に伴うGH分泌低下の機序:

下垂体障害というより、視床下部障害、特に、GH-RH分泌低下が大きな要因。

ソマトスタチン分泌亢進が一部関与。

視床下部GH-RH分泌低下、ソマトスタチン分泌低下の機序:詳細は不明。

→ 視床下部のGH-RHニューロンやソマトスタチンニューロンはカテコラミン、セロトニン、アセチルコリンなどを含有するニューロンの支配を受けていることより、老化に伴うこれらのニューロンの変化が一時的なのかもしれない。

GH/IGF-I系の低下と臨床症状>

     GHは、小児期から思春期を経て成人に至る過程で、軟骨内骨形成促進による長管骨の長軸方向への伸長、骨量増加、筋肉量の増加、性腺発育を促進する。

     GH:身体の成長や成熟を促すホルモンにとどまらず、全身のいろいろな代謝に重要な役割を果たす代謝調節ホルモンであり、代謝面におけるGHの役割は成人になってからより大切である。

     GHの作用:組織や細胞に対するアナボリック作用と抗インスリン作用。

アナボリック作用:肝臓、骨、筋肉、性腺その他の臓器に対する蛋白合成促進、細胞増殖促進。IGF-Iを介して発揮される。

抗インスリン作用:糖質代謝、脂質代謝においては、インスリン作用に括抗するもので、脂質代謝においては中性脂肪を遊離脂肪酸とグリセロールに分解し、また、糖代謝においてもいろいろな段階でインスリンに対して、括抗的に作用し、耐糖能を低下させる方向に作用。

○生体は、体脂肪の増加を防ぐ。

     筋肉をはじめとする多くの蛋白組織の重量や機能を保持。

     骨代謝、脂質代謝、糖代謝のホメオスタシスを保つ。

     さらに腎機能、心機能、免疫機能を正常に維持している。

     GH:健常人が感じる精神心理的な健康感を保持する上でも重要な働きを果たしている。

     加齢に伴うGH/IGF-I系の低下に対して:ソマトポーズ(somatopause)

     ソマトポーズなると:

筋肉量が減少、筋力や運動能力が低下、体幹、特に内臓脂肪の蓄積。

内臓脂肪の蓄積 → インスリン抵抗性、糖尿病、高脂血症などの病態(内臓脂肪症候群)と密接に関連し、冠動脈疾患の高い有病率につながり成人病の発症基盤として重要。

     内臓脂肪蓄積の機序:GH自身の脂肪分解作用の減弱に加えて、副腎皮質ホルモン代謝に関わる11β-hydroxysteroid dehydrogenase(11β-HSD)が関与。

     11β-HSD:2種のアイソザイム

     11β-HSD2:腎に存在し、コルチゾルを生物学的不活性型のコルチゾンに変換。

     11β-HSD1:肝臓、脂肪組織に存在し、11β-HSD2とは逆にコルチゾンをコルチゾルに変換。

     11β-HSD:皮下脂肪組織よりも、内臓脂肪組織に高発現し、そこでコルチゾル産生を促進する。

     GH欠乏状態:11β-HSD1活性が亢進する → 内臓脂肪組織でのコルチゾル過剰が内臓脂肪蓄積に拍車をかけている(Cushing症候群様変化)

     正常健康人では骨塩量とIGF-I値には正の相関がみられ、かつ骨粗鬆症では血中IGF-I値の有意の低下が報告。→ 老年期における骨量の減少や骨粗鬆症にもGH/IGF-I系の低下が、関与している可能性がある。

     性腺刺激ホルモン■

・平均寿命は延長しても、卵巣機能が短期間に廃絶する閉経(menopause)の年齢はほとんど変化していない。プログラムされた遺伝情報によって規定されている可能性が高い。

<女性における視床下部―下垂体系の加齢に伴う変化>

視床下部―下垂体系の機能は、閉経後も比較的保たれている

・卵巣機能低下によって、ネガティブフィードバック抑制が減弱し、視床下部におけるゴナドトロピン放出ホルモン(gonadotropin releasing hormone; GnRH)ニューロンの神経細胞は肥大し、GnRH分泌は亢進し、特徴的なパルス状の分泌パターンを示す

     下垂体からの黄体化ホルモン(luteinizing hormone; LH)、および、卵胞刺激ホルモン(follicle stimulating hormone; FSH)の分泌は、周期性は欠落し、卵巣からのネガティブフィードバック抑制の減弱により亢進する。

     LHとFSHを比べると、卵巣からのインヒビンにより抑制調節をうけているFSHが、卵巣からのインヒビン分泌減少により、LHに先行して上昇する。

     閉経後のFSHレベルは閉経前の5-10倍に、LHは3-4倍程度に上昇する。

     LH、FSHの分泌亢進も60歳以降では低下してくる。

<男性における視床下部―下垂体系の加齢に伴う変化>

     血中テストステロン値:生後3-5ヶ月の間、成人の約半分の値を示すが、その後は、10ng/dl以下の低値となり、思春期に夜間睡眠時のLH分泌増加に平行して、夜間の血中テストステロン値上昇が始まる。

     思春期後期に日中も高値となり成人値となる。

     血中テストステロン値は、20-30歳代でピークとなり、それ以降は漸減する。個人差が大きく、高齢者でも若年者と同程度の場合もある。

     加齢に伴うテストステロンの低下:精巣Leydig細胞の数の減少に加えて、human chorionic gonadotropin (HCG)負荷による血中テストステロンの反応性も加齢に伴い低下する。Leydig細胞の機能低下にも起因。

     テストステロン分泌能低下とともに、LHは上昇する。

     血中インヒビン値も20歳代から90歳代まで加齢とともに低下することから、老化の指標となる。

     FSHもインヒビンによるフィードバック抑制の減弱により加齢とともに上昇。

     血中インヒビンとFSHの逆相関関係は、前述の血中テストステロンとLHの逆相関関係よりも早期、中年世代にすでに認められ、より明確に現れる(FSH>LH)

→ 加齢に伴うSertoli細胞の機能低下は、Leydig細胞の機能低下よりも早期に出現する。

<甲状腺刺激ホルモン(thyroid stimulating hormone; TSH)

     高齢者では、血中甲状腺ホルモンのうち、総T3値および遊離T3値が、若年者に比べて10-20%低下する。

     血中総T4値、遊離T4値は若年者と差はないので、T3/T4比がやや低下する。

→ 末梢組織での脱ヨードによるT4からT3への変換が低下しているため。

     甲状腺から分泌されるホルモンは大部分がT4である。

     生理活性のあるT3T4のヨードが1個はずれる(5’-deiodination)ことにより生じる。

     脱ヨード過程が血中T3量を決定する最も重要な要因である。

     高齢者ではこの脱ヨード系が低下しているために血中T3値が低下する。

     T4に関して、老化とともに甲状腺からの分泌量は減少に傾くが、T4の代謝も落ちるために、血中T4値は変化しない。

     血中TSH値は、若年者に比してやや高めになるが、これは、下垂体内での脱ヨードが低下しているため。

<副腎皮質刺激ホルモン(adrenocorticotropic hormone; ACTH)

     加齢に伴い、副腎アンドロゲンであるdehydroepiandrosterone sulfate (DHEA-s)が低下する。

     老年者における副腎アンドロゲン産生分泌の低下は、副腎アンドロゲン合成に関与の大きい17, 20-lyase活性が相対的に低下が、原因。

     副腎コルチゾルの合成、分泌は加齢によって大きな変化がなく、血中コルチゾル値も加齢の影響はあまり受けない。→ 下垂体からのACTH分泌にも若年者と高齢者の間で差はない。

<プロラクチン(prolactin)

     加齢によるプロラクチン分泌の変化について、女性で血中プロラクチン値は、閉経前後から低下すると報告。

→ 卵巣機能低下に伴うエストロゲン低下に起因。

男性において:加齢によるプロラクチン値の変化はない。

・下垂体におけるプロラクチン産生細胞の数については、加齢による影響は受けないと報告。

<抗利尿ホルモン(anti-diuretic hormone; ADH)あるいはバゾプレシン(vasopressin)

     若年健常者のADH分泌の日内リズムをみると、夜間に増加しており、睡眠時の抗利尿作用の保持に役立っている。

     高齢者ではこの夜間睡眠中のADH分泌増加がおこらないため、夜間の頻尿、多尿につながる。

     生理学的刺激や薬剤によるADH分泌は、若年者に比べて、高齢者で亢進。

     ADH分泌に対する加齢の影響は必ずしも一致しないが、加齢による尿の濃縮力の減退や血管の圧受容器機能の減退を補強あるいは代償するために、各種刺激に対するADH分泌が亢進している。

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