【アンチエイジング・インターベンション/ホルモン療法とアンチエイジング】
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【アンチエイジング・インターベンション/ホルモン療法とアンチエイジング】
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〔P225-228 成長ホルモン療法とアンチエイジング〕
<成長ホルモン療法の適応疾患>
・ 1956年、成長ホルモン欠乏性低身長症にGHを使用し有効性を証明した。
・ 1988年遺伝子組み換えにより作製されたGHが供給される。
・ GH分泌不全性低身長症だけではなく、Turner(ターナー)症候群、ならびに、小児慢性腎不全性低身長症、軟骨異栄養症にもGH使用が承認された。
・ GHは身長の成長や成熟を促すホルモンにとどまらず、全身のいろいろな代謝に重要な役割を果たす代謝調節ホルモンである。
・ 代謝面におけるGHの役割は、成人になってから特に大切である。
・ GH欠乏症:体組成が変化し、体脂肪量が増加するとともに、除脂肪体重(主として筋肉量)が減少、筋力や運動能力が低下し、精神心理的健康感も得られなくなる。
・ 体脂肪の増加:内臓脂肪の増加であり、インスリン抵抗性、糖尿病、高脂血症、などの病態(内臓脂肪症候群)と密接に関連し、生命予後に深く関わる。
・ 成人GH欠乏症に対するGH補充療法は、諸外国では広く行われている。
<ソマトポーズsomatopause>
・ GH分泌は思春期から青年期に最大となり、以後加齢に伴って10歳ごとに約14%ずつ低下。
・ GH分泌低下:脈動的GH分泌パルスの振幅と継続時間の減少が主たる原因で、パルス頻度の低下ではない。
・ 高齢者:全員がGH欠乏症類似の状態になり、この老化に伴うGH/IGF-I系の減弱をソマトポーズという。
・ 成人GH欠乏症の患者で観察される身体的症候:
老化に伴って出現する諸症候、例えば内臓脂肪蓄積型の肥満、筋肉量の減少と筋力低下、骨塩量の低下と骨粗鬆症など類似している。
・ ソマトポーズに対するGH補充療法に期待が寄せられた。
・ 筋力低下に基づく虚弱(fraility)、骨粗鬆症を基礎に転倒で誘発される骨折、精神心理的不活発さ、あるいは不健康感がソマトポーズと関連しているかどうかは?
<高齢者に対するGH補充療法>
●効果●
・Rudmanら、血中IGF-I値が低下した21名の健常高齢者(61-81歳)に0.030mg/kg体重/週(GH分不全性低身長症の治療に使うGH量の約1/6量)のGH量を週3回に分けて6ヵ月間にわたって皮下注し、プラセボ群と比較。
→ GH群では、血中IGF-I値の上昇とともに、除脂肪体重が8.8%増加、体脂肪量が14.4%減少、腰椎骨密度が1.6%増加した。
・Papadakisらは、血中IGF-Iが低値の平均75歳の健常高齢男性52名に0.030mg/kg体重/週のGHを週3回に分けて6ヶ月間投与し、プラセボ群と比較したところ、除脂肪体重で4.3%の増加、体脂肪量で13.1%の減少を認めた。
・GH補充療法が、筋力、最大酸素消費量、その他の身体機能の改善に必ずしも一定した効果を示さなかった。
・TaafeらやYarasheskiらも、GH治療によって除脂肪体重の増加および脂肪量の減少はみられるのに筋力の増加はおこらない。
・Welleらは、60歳以上の男性5名に0.030mg/kg体重/週のGHを週3回に分けて3ヶ月間投与し、プラセボ群の男性5名と比較したところ、除脂肪体重の増加(40K counting)、筋肉量(尿中クレアチニン排泄量)の増加、および、大腿筋筋力(isokinetic dynamometry)の増大を認めた。
・Brillら、除脂肪体重は増加したが、筋力には有意な変化は認められなかった。
・Munzerら、110名の高齢者に0.020mg/kg体重/週のGHを週3回に分けて6ヶ月間し、プラセボ群と比較。女性では、GH治療は腹部の皮下および内臓脂肪量に何の影響も及ぼさなかった。男性は、皮下脂肪量が有意に減少したが、内臓脂肪量は明らかな変化がなかった。
・GH投与は骨代謝にも影響を与える。
・ 高齢者へのGH投与は、骨形成、および骨吸収をともに刺激し、骨代謝回転を促進する。
・ GH投与6ヶ月ころは、骨吸収が骨形成を上回るために骨塩量はむしろやや減少するが、その後、増加し、一年後には、対照群と比べて、有意に増加。
・ 杉本ら、骨塩量の低下した高齢女性に対し、最初の4週間は0.125U(6.25μg)/Kg体重/週、その後0.25U(12.5μg)/Kg体重/週のリコンビナントヒトGHを48週にわたって1年投与した。 → 投与前に比べ骨密度は僅かではあったが有意に上昇し、その効果はGh投与中止後も1年後にも持続していた。
・ GHによる骨塩量増加の程度は、ビスフォスフォネートに比べると明らかに弱い。
●副作用および安全性
・ GHにより塩分、および体液の貯留。
・ 浮腫、関節痛、筋肉痛、などが多く、体重増加、手のこわばり感、手根管症候群、まれに、頭痛、耳鳴り、うっ血乳頭、血圧上昇、心房細動、女性化乳房など。
・ 長期的にGH治療を続けるときの安全面での問題:腫瘍の発症および進展。
・ 疫学研究で、血中IGF-I値が正常範囲であっても、高めの人は、前立腺癌、大腸癌、乳癌になるリスクが高いことが知られている。
・ 基礎研究で、IGF-I系は発ガン、および、癌の進行に促進的に働く。
・ 癌が発症しやすい高齢者に、GHを投与することで、IGF-I系を賦活化することが、発癌を促進する、潜在的に存在していた癌の増大を招くという危険性については、明確な結論なし。
<高齢者に対するGH療法の問題点>
・ 体脂肪の減少と除脂肪体重の増加
・ GH投与が高齢者の筋力増強に明らかな効果を示さない。
・ 最大酸素摂取量に明らかな効果を示さない。
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